感情労働とは、自身の感情をコントロールしながら仕事をする必要のある職業のことです。接客業や看護師、介護士、教師、保育士等は、感情労働の代表的な職業だといえます。声を使って電話で人と接するコールセンターやカスタマーサポート等の仕事も感情労働です。その他にも、販売員、飲食店の店員、美容師、客室乗務員、カウンセラー等、感情労働と呼ばれる職業は数多く存在します。人と接する仕事に就く場合は、気持ちのよい対応をすることが必須となります。例えば、買い物や飲食をする人は、商品や飲食物だけを単に求めているだけではなく、その場の雰囲気や接客の気持ちよさも求めていることが多いです。人と接する職業に就く際には、気持ちのコントロールが必要不可欠です。言葉遣いに注意する、さわやか、穏やかな笑顔を自然に引き出す、共感する様子を見せる、といった気持ちのよい対応をし、相手が嫌な気持ちを抱くことがないようにして業務にあたります。教師や保育士等は、教育の現場において、時に厳しい態度で生徒や幼児に接する必要が出てくることがあります。そのような際、自身の感情に反して、その場にふさわしい態度をとることが求められます。自身の感情とは反対の感情を作り出して適切に表現するという作業には、大きなエネルギーが必要です。広い心でさまざまな生徒や幼児を受け止め、穏やかで優しい態度や厳しい態度を時と場合によって駆使しながら業務にあたることが求められるのです。